御祭神


御祭神

 陽神たる「素戔嗚尊」をお祀りしています。

 

 この神さまは、豊葦原瑞穂国を生み出した伊邪那岐命と伊邪那美命の御子神であり、天照大御神、月読命と共に「三貴神」と称せられる神さまの一柱です。

 八岐大蛇退治の神話の主神公としても有名な神さまになります。

 尚、陰神「櫛稲田姫命」も境内社の稲田姫神社にお祀りしております。


御神徳

  

    奇しき嚴しき大神と 縁結びし人は皆 清き明き真心以ちて 幸く真幸く和しくあれ 

 

 

 嚴しき陽神・素戔嗚尊と、奇しき陰神・櫛稲田姫命、二柱の大神さまたちのお力を合わせた御神徳は「縁結」と「和合」です。当社では神徳を合わせて「結和の神徳」と称しています。

 また、素戔嗚尊は、漲る強いお力から「身体健全」、災厄・八俣大蛇を退治した逸話から「厄除・必勝」、疫病から人々をお救いしたことから「病気平癒」など様々な御利益があるともいわれています。

 櫛稲田姫命は、見目麗しい女神であったことから「眉目秀麗・恋愛成就」、悟り深き御子神をお生みになられたことから「子宝・安産」、仲睦ましい夫婦神であったことから「夫婦円満」の御利益があるといわれています。

素戔嗚さまの神話

 素戔嗚さまは、幼い頃は父(イザナギ)の言うことを守らず、姉兄(アマテラス・ツクヨミ)にも迷惑ばかりかける手の付けられない神さまでありました。しかし、いつも亡き母(イザナミ)のことを思い偲ぶ大変心優しい神でもありました。

 ある時、父に亡き母の故地である根の国に行きたいと駄々をこねると父の怒りを買ってしまい日の若宮から追い出されてしまいます。追い出された素戔嗚さまは根の国に向かう前に姉の天照さまに別れの挨拶をしようと高天原に昇りますが天照さまは気の荒い弟が攻め入ってきたと勘違いをしてしまいます。そこで素戔嗚さまは疑いを晴らすために天照さまと誓約を行いました。疑いが晴れた素戔嗚さまでしたが高天原に滞在中、数々の粗暴を行ってしまい、それを見た天照さまは弟を恐みて天の岩屋戸に隠れてしまいます。それが原因で素戔嗚さまは高天原からも追い出されてしまうことになってしまいました。

 父にも姉にも追い出された素戔嗚さまは、ようやく母の故地、根の国がある出雲へ向かい鳥髪山へ降り立ちます。その山を散策中、川のほとりから箸が流れて来たので誰かいるのかと思い向かってみると老夫婦の神がおり、この地では八俣大蛇という邪神が暴れていて娘の櫛稲田姫が生贄になってしまうという話を聞きます。そこで素戔嗚さまは八俣大蛇を退治することを約束し、様々な策を講じてみごと八岐大蛇を退治するのです。

 これらの出来事を高天原に戻り天照さまに報告をして大蛇の尾より出た草薙剣を献上すると天照さまは今までの罪を全て許して下さり素戔嗚さまを高天原一の「英雄神」として称えて下さいました。

 その後、素戔嗚さまは出雲へ戻り、八俣大蛇からお救いした櫛稲田姫と縁結びを行い結婚をします。そして、出雲の須賀の地へ移り立派な御社を建てて、子も授かり仲睦ましく永しえにお暮しになられました。

 このように素戔嗚さまは、神さまでありながらまるで私たち人間のような性格や心を持つことから多くの人々に好まれ、また氣高さと愛の両面を遺憾なく発揮された英雄の神として広く親しまれております。